自分の大切な暗号資産(仮想通貨)を守ろう!ウォレットを活用した安全な保管方法を解説!

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暗号資産って危険だから投資しない方がいいかな?

長期保有前提で暗号資産を購入したいけど、安全な保管方法ってなに?

日本国内で暗号資産関連のニュースとして、ハッキング被害の報道が大きく取り上げられることも多いため、暗号資産=危険という認識が世間一般的なイメージを持たれているかもしれません。

実際に過去にはいくつものハッキング事件などが発生しており、膨大な金額や投資家が被害を受けています。

しかし、暗号資産の安全性を確保するための手段はいくつもあります。

今回は、今すぐ手軽にはじめられる方法として、「ウォレット」の活用について解説します。

自分の大切な暗号資産を守るために必須の知識なので、この記事に目を通してすぐにでも行動をとるようにしましょう。

この記事を読んでわかること
  • 過去に実際にあった事件やその手口
  • 普段から潜んでいる暗号資産紛失のリスク
  • ウォレットの種類とウォレットの活用方法
  • 暗号資産長期保有するときの注意点
目次

過去にあった暗号資産の紛失事例

暗号資産のウォレット活用の重要性を知るためにも、まずは過去にあった事件やその手口について把握しておきましょう。

過去に起きた出来事を見てみると、暗号資産取引所などの運営による人為的な不手際が原因となっています。

いかに自分自身で暗号資産を管理するかが重要かとわかるでしょう。

Mt.Gox【マウントゴックス】事件(被害額:4億8000万ドル)

2014年に、当時世界的にも最大級の暗号資産取引所であったマウントゴックスに保管されているはずのビットコインが流出する事件が起きました。

当時の価格で4億8000ドル相当のビットコインが一瞬のうちに流出してしまい、顧客の資金引き出しなどすべての取引が停止になりました。

その後に調査した結果、マウントゴックス社員が内部から不正操作で意図的に流出させたことが分かっています。

この事件は、現在のような日本国内での暗号資産取引における規制が生まれるキッカケになりました。

コインチェックハッキング(被害額:4億9600万ドル)

現在では国内最大級の暗号資産取引所のコインチェックですが、2018年にはハッキング被害を受けて、わずか20分の間に4億9600万ドル相当のネムを流出させました。

当時コインチェックでは、ネットワークに接続されたホットウォレットにまとまった資金を保管していました。

ハッカーは、そのホットウォレットを狙ってハッキングして資金を抜き取りました。

今回の事件は、暗号資産の保管方法に穴があり、その穴を狙われました。

Ronin Network(被害額:5億4000万ドル)

2020年ごろから世界的に盛り上がっているブロックチェーンゲーム「アクシーインフィニティ」がRonin Networkを運営しています。Ronin Networkでは、アクシーインフィニティのゲーム内トークンの購入や保管ができます。

2021年にRonin Networkはハッキング被害を受けて暗号資産を流出させてしまいました。

運営側はもともと、ネットワークへのアクセス権を9つに分散させていましたが、ハッカーによって過半数を超える5つが不正アクセスを受けてしまいました。

最後の5つ目の不正アクセスは、運営の人的なミスともいわれています。

多額な被害を受けましたが、後日運営は被害を受けたユーザへの全額補填を行いました。

FTX破綻(被害額:100億ドル以上)

2022年に当時世界規模で2番目に位置していた暗号資産取引所FTXが破綻しました。

独自トークンFTT絡みでのずさんな資産管理による歪みが原因で、預かっていた顧客の資産を失った結果、破綻に追いやられました。

顧客の資産がもちろん返ってくることもなく、被害額は推定で100億ドル以上と、過去に起きた事件のなかで桁違いの被害額になりました。

日本のFTX JAPANの資産は、金融庁の規制のおかげで返金されるといわれていますが、世界中の膨大な顧客の資産は返金の目途が立っていません。

身近に潜む暗号資産紛失のリスクとは?

暗号資産を紛失するリスクは一つではありません。また、そのリスクは常に身近に潜んでいます。

まずは、紛失するリスクについて理解しておきましょう。

ハッキング

ハッキングでの暗号資産紛失は、大規模なことが多くニュースにもなりやすいです。

暗号資産取引所だけでなく、暗号資産ではさまざまなサービスでハッキングのリスクがあります。

ブロックチェーンの特性上ハッキングは実質困難といわれています。

しかし、ブロックチェーンの書き換えなどの不正ではなく、暗号資産取引所などのサービス自体を狙ったハッキングで被害を受けています。

詐欺

暗号資産だけでなくNFTでも詐欺は横行しています。

怪しいプロジェクトが発行するトークンを購入したあとに、運営が雲隠れすることがあります。

本物の公式サイトに似せて作った詐欺サイトを開設して、詐欺サイトへウォレットを接続しただけで、ウォレット内の暗号資産を根こそぎ抜き取られる被害も多いです。

ウォレット紛失

ウォレットの管理はすべて自己責任のもと成り立っています。

基本的に自分以外はだれも、自分のウォレットへのアクセスはできません。

厳重に管理すべきウォレットですが、普段使っているスマホやパソコンが故障したときに、復元に必要なシードフレーズや秘密鍵がわからないとウォレットを復元できません。

それ以降は、だれもウォレットへアクセスできないため、ウォレット内の暗号資産は永遠と紛失することになります。

暗号資産ウォレットの種類

暗号資産のウォレットにはいくつもの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

次に、暗号資産のウォレットの種類とその詳細について目を通してみましょう。

ホットウォレット

ネットワークに常に接続されたウォレットがホットウォレットです。

ホットウォレットは、ネットワークへアクセスしやすいためスムーズな取引が可能です。

その反面、ハッキングを受けるリスクがあるウォレットでもあります。

暗号資産取引所での預かり資産の一部は、ホットウォレットに保管されています。

モバイルウォレット

「Metamask」などのスマホで管理できる個人ウォレットがモバイルウォレットです。

モバイルウォレットは、持ち運びできるためどこでも暗号資産の取引ができます。

スマホのアプリを使用して取引の承認などを行います。

モバイルウォレットは、常にネットワークに接続されているわけではありませんが、それでもセキュリティは十分ではありません。

ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットは、送金や取引の承認に専用のデバイスでの物理的な操作が必要なウォレットです。

物理的な操作という二段階承認の形式になるため、ハッキングなどの被害を受ける可能性がぐっと低くなります。

ホットウォレットとは対照的に、「コールドウォレット」に分類されます。

安全性は高いですが、毎回二段階認証が必要になるため、頻繁な取引では、手間がかかります。

マルチシグウォレット

マルチシグウォレットは、登録している複数のウォレットによる承認を必要とするウォレットです。

モバイルウォレットやハードウェアウォレットなどの個別のウォレットを事前に複数登録して、それぞれで個別に承認を行い、条件に設定した数のウォレットから承認があったときにのみ取引が承認されます。

ハードウェアウォレット以上に手間がかかるウォレットですが、仮に、一つのウォレットが乗っ取られたとしても、資産を抜き取られることがないためとても安全なウォレットに分類されます。

暗号資産の長期保有で意識すべきポイント

暗号資産の長期保有では、単にウォレットに保管しておくだけでなく、意識すべきポイントを押さえておくだけで、安全性と利便性をある程度両立できます。

長期と短期保有でウォレットを分ける

ウォレットにはそれぞれの特徴による向き・不向きがあります。

その特性を理解したうえで、長期保有と短期保有でウォレットを分けることをオススメします。

長期保有では、安全性の極めて高いハードウェアウォレットマルチシグウォレットを利用しましょう。

短期保有や頻繁に取引を行う場合は、モバイルウォレットなどの利用が向いています。

一つのウォレットに保管しない

暗号資産ではリスクの分散がとても重要です。

ウォレットの乗っ取り被害などを受けることを想定して一つのウォレットにすべての暗号資産を保管しないようにしましょう。

ウォレットを分けて保管しておくだけで万が一の状況で、最悪の事態を避けられます。

しかし、複数のウォレットに分けたとしても、ウォレットの復元も含めて自分が管理できる範囲で分散させるようにしましょう。

ステーキングなどを活用しよう

ステーキングでは、暗号資産を預け入れるだけで運用利回りを受けられます。

そのため、長期保有する暗号資産はステーキングを利用することで有効活用できます。

しかし、ステーキングでは自分の暗号資産を預け入れることになるため、信頼できる暗号資産取引所やサービスのみに限定して行いましょう。

暗号資産ウォレット活用での注意点

暗号資産の紛失は、ハッキングなどの外部的な要因だけでなく、自分自身で起こす内部的な要因によるものも多いです。

最後に、暗号資産ウォレットを活用するときの注意点を覚えておきましょう。

シードフレーズや秘密鍵は教えてはダメ

シードフレーズや秘密鍵はウォレットの復元に必須なので、必ず控えて保管しておく必要ががあります。

シードフレーズなどがあれば無条件にウォレットを復元できるため、ハッカーなどは常にあなたのシードフレーズと秘密鍵を狙っています。

もしも、シードフレーズなどが流出した場合、相手にもウォレットの権限を握られることになるため、だれにも絶対に教えないようにしましょう。

いかなる場合も絶対教えてはいけません。

怪しいサイトに接続しない

最近では、ウォレットをサイトに接続しただけでウォレットの権限を奪われてしまう事例も多いです。

ウォレットの権限を奪われてしまうと、ハードウェアウォレットであっても関係なく資産を抜き取られます。

見たことのある公式サイトでも、実はURLを微妙に変えた偽サイトということもあります。

そのため、怪しいサイトへの接続は絶対に避けてください。

公式サイトへのアクセスもTwitterなどの公式アカウントが公開しているURLから行う方が安全です。

送金ミスをしない

送金作業は日常的に行うことが多いです。

暗号資産の送金アドレスを一文字でも間違えていると、送金した暗号資産を永久に紛失します。

そのため、コピー&ペーストでウォレットアドレスを入力して、送金前に再度確認するようにしましょう。

安全な暗号資産保管のためにもウォレット活用は覚えておこう!

今回は、実際に過去にあった事件による被害や、暗号資産ウォレットの種類、活用方法についてまとめました。

暗号資産での紛失のリスクは、外的な要因と内的な要因があります。

そのため、ウォレットでの資産管理をマスターして自分の防御力を上げておきましょう。

あなたのウォレットを狙っている詐欺師は、あなたに寄り添って優しくするフリをしてシードフレーズや秘密鍵を教えてもらえるように巧みに誘導してきます。

自分のウォレットを守るためにも、シードフレーズなどは絶対に教えないようにしましょう。


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記事執筆者

ALLマネー! 編集部

監修者 
若本 康夫
海外大学院でMBA(経営学修士)取得後、大手証券会社にて勤務。
退職後ファイナンシャルプランナーとして独立し、現在は資産形成を中心とする記事執筆にも携わっています。
証券会社勤務の経験を活かし、暗号資産やNFTなど新しい領域も含め幅広くカバーしています。
■保有資格:証券アナリスト、IFA(資産アドバイザー)、FP(ファイナンシャルプランナー)

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