暗号資産の積立投資とは？メリット・デメリットや向いている人も紹介します。

暗号資産は値動きが大きいため、「興味があるけどなかなかチャレンジできない」「いつ投資をすればいいのかタイミングが分からない」と悩みを抱えている人も多いでしょう。

そんな人におすすめなのが「積立投資」です。

積立投資は、毎月一定の金額をコツコツと買い付けていく投資手法で、暗号資産への投資でも活用できます。

そこで本記事では、暗号資産で積立投資を行うメリット・デメリットについて解説していきます。積立投資におすすめの取引所も紹介しますので、ぜひ口座開設を行う際の参考にしてください。

暗号資産の積立投資とは？

積立投資とは、毎月一定の金額で同じ金融商品を買い付けていく投資手法です。「投資」というと、一度に大きな金額をつぎ込むイメージがあるかもしれませんが、積立投資は毎月コツコツと投資をすることで利益を狙います。

基本的に長期投資を前提とした投資手法で、買付は自動で行われることから、次のような人に向いている方法です。

積立投資は株式や投資信託だけでなく、暗号資産への投資でも活用できます。次項では、暗号資産で積立投資をするメリットについて見ていきましょう。

暗号資産で積立投資をするメリット

暗号資産で積立投資をすることには、次のようなメリットがあります。

それぞれ詳しく解説していきましょう。

少額投資からスタートできる

積立投資のメリットとして、少額投資からスタートできることが挙げられます。毎月の最低投資金額は取引所によって異なりますが、中にはワンコインから始められる取引所もあります。

暗号資産への投資を検討している人の中には、「いきなり大きな金額を投資するのは怖い」と考えている人も多いでしょう。しかし、毎月500円ほどの金額であれば、気軽な気持ちでチャレンジしやすいのではないでしょうか。

投資に慣れてくれば後から金額の変更もできるため、「まずは暗号資産の取引を体験してみたい」という人は、積立投資から始めてみることがおすすめです。

投資のタイミングを判断しなくてよい

積立投資のメリットとして、投資のタイミングを判断しなくてよいことが挙げられます。

暗号資産は値動きの変動が大きいため、「いつ投資をすればいいか分からない」という悩みを抱えることもあります。しかし、積立投資では毎月決まったタイミングに自動で買い付けが行われるため、投資家が自ら投資の判断を下す必要がありません。

そのため、「テクニカル分析が苦手」、「投資に手間をかけたくない」という人でも手間暇をかけずに投資に取り組めます。

時間分散でリスクが低減できる

投資の時間分散ができることも積立投資のメリットのひとつです。

積立投資は基本的に長期投資を前提としているため、長期にわたって投資のタイミングが分散されます。仮にまとまった資金を一気に投資する場合、その時点の価格が損益の分岐点となります。しかし、積立投資は長期間にわたって分散しながら買い付けていくため、平均購入単価を平準化できるのです。

特に暗号資産のように値動きが大きい金融商品では、購入のタイミングが収益に大きな影響を与えます。積立投資によって投資のタイミングを分散することで、「高値掴みをしてしまった」という事態も避けられる効果があります。

暗号資産で積立投資をするデメリット

様々なメリットがある暗号資産の積立投資ですが、一方で次のようなデメリットもあります。

それぞれ詳しく解説していきましょう。

短期間で大きな利益を狙うのは難しい

積立投資は長期投資を前提とした投資手法であるため、短期間で大きな利益を狙う取引には適していません。GMOコインの投資シミュレーション結果を例に確認してみましょう。

過去3年間でビットコインに毎月500円投資していた場合、投資成果は下記画像の通りとなっています。

投資元本1万8,000円に対して、評価額が2万599円となっており、約2,000円の利益が出た結果となりました。利回りでいうと約14％であり、それほど大きな利益とはいえません。

このように、積立投資は長期間分散投資をしながら利益を狙う手法であるため、「短期間で大きな利益を得たい」、「ハイリスクハイリターンの投資をしたい」という人には向きません。

損失のリスクがなくなるわけではない

暗号資産への投資を始める上で、必ず理解しておきたいのがリスクについてです。積立投資は時間分散することで投資リスクを低減する効果がありますが、それでも損失を被るリスクが0になるわけではありません。

特に暗号資産は値動きの変動が大きい銘柄も多いため、相場の変動によって大きな損失を被る可能性もあります。積立投資でリスクを低減させることはできるものの、「必ず利益が得られる」というものではないことを理解しておきましょう。

利益確定時に確定申告が必要となる場合がある

暗号資産は、利益確定を行ったときに確定申告が必要となる場合があります。暗号資産の取引によって生じた利益は「雑所得」に分類され、給与などの他の所得と合算したうえで税率が適用されます。

株式や投資信託では、税金が源泉徴収される特定口座で取引ができるため、確定申告をしなくても税金を納めることが可能です。しかし、暗号資産ではまだそこまで制度が整えられていないため、利益確定を行ったときは確定申告の要否も確認しなければなりません。

そのため、「会社員なので、普段自分で確定申告をすることがない」という人にとっては、手間に感じてしまうこともあるでしょう。

ちなみに、所得税では、所得の金額が大きくなるほど税率が高くなる仕組みが導入されており、詳細は下記の通りです。

課税される所得金額	税率	控除額
1,000円 から 1,949,000円まで	5％	0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで	10%	97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで	20％	427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで	23%	636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで	33%	1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで	40%	2,796,000円
40,000,000円 以上	45%	4,796,000円

例えば、給与所得と暗号資産の利益の合計が600万円だった場合、20％の税率が適用されます。利益によっては高い税率が適用されることもあるため、支払う税金にも注意しておくことが大切です。

暗号資産の積立投資の始め方

暗号資産の積立投資を始めるときは、次のステップで手続きを行います。

暗号資産の積立投資は、取引所によって取り扱いの有無や銘柄数、最低投資金額などが異なります。積立投資を始める際は、いくつかの取引所を比較して、自分の投資意向に合った取引所を選ぶようにしましょう。

次項では、暗号資産の積立投資におすすめの取引所を紹介していきます。

暗号資産の積立投資 | まとめ

暗号資産の積立投資は、コツコツと分散投資をすることでリスクを低減する効果があります。買い付けは自動で行われるため、投資のタイミングを判断しなくてよいことも特徴です。

「長期投資を前提に暗号資産へ投資をしたい」、「少額から暗号資産投資を始めたい」という人は、ぜひ積立投資にチャレンジしてみましょう。

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記事執筆者

ALLマネー！ 編集部

監修者　
若本　康夫
海外大学院でMBA(経営学修士)取得後、大手証券会社にて勤務。
退職後ファイナンシャルプランナーとして独立し、現在は資産形成を中心とする記事執筆にも携わっています。
証券会社勤務の経験を活かし、暗号資産やNFTなど新しい領域も含め幅広くカバーしています。
■保有資格：証券アナリスト、IFA(資産アドバイザー)、FP(ファイナンシャルプランナー)