
ビットコインや他の仮想通貨を取引している方であれば、トークンという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
トークン自体は一般的に、ブロックチェーンを用いて作成された仮想通貨を指す用語ですが、近年注目を集めているのがNFTというトークンです。
当記事ではNFTの概要を説明するとともに、購入方法についても詳しく解説します。
NFTとは?NFTの特徴について解説!

NFTとは、「Non-Fungible Token」の略で、「ERC721規格により発行した代替不可能なトークン」です。
分散型アプリケーションやスマートコントラクトを構築するプラットフォームであるイーサリアム上で作られているトークンで、他のトークンでは代替できない唯一無二の特徴・価値を持つ点で特異なものです。
NFTの特徴
・代替が不可能
・相互運用性がある
・取引の際の所有権・真贋の証明になる
・付加機能を持たせられる
NFTには4つの特徴があり、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
世界が注目を集める「代替不可能性」
NFTのもっとも大きな特徴は、代替不可能である点です。
これは他の仮想通貨にはない非常に重要な特徴となります。
NFTが世界中で注目を集めている背景には、このNFTの代替不可能性があります。
たとえばビットコインを1BTC保有しているトレーダーがいるとします。
もし他のトレーダーが保有している1BTCと、自分が持っている1BTCを交換したとしても、問題はありません。
なぜならビットコインは代替可能であり、すべての1BTCは同じ価値を持っているからです。
しかしNFTの場合、あるNFTと別のNFTを交換することはできません。
それぞれのNFTを識別する情報がブロックチェーン上で付与されているからです。

NFTをよく理解するのに役立つのが2017年に誕生した、「CryptoKitties」という猫育成ゲームです。
これまでの育成ゲームでは、育成できる猫の種類は決められていましたが、CryptoKittiesではNFTを用いて自分だけの猫を育成することができるようになりました。
もちろん自分の育成した猫と他のユーザーの猫の画像が同じことはありますが、情報を詳しく見ていくと他の猫と異なる特徴が見つかるのです。
実際に自分が買っているペットと他の人の買っているペットの種類は同じでも、自分のペットの方に愛着を感じるのと同様、自分だけの代替不可能なキャラクターを育成できる点が支持を集め、CryptoKittiesは爆発的な人気を集めました。
NFT一つひとつに異なる情報が付与されているため、他のさまざまな分野での活用が期待されています。
楽しみの幅が広がる!「相互運用性がある」
NFTの別の特徴は、相互運用性です。
前述の通り、NFTはイーサリアム上で構築されるトークンであるため、さまざまなウォレットやマーケットプレイスで利用できることが期待されています。
イーサリアム上の同じ規格で作成されているので、あるゲームのキャラクターを別のゲーム内で使えるようになる可能性があるのです。
これまでは1つのゲームをクリアすれば終わりでしたが、別のゲームのキャラクターを使って遊べるようになれば、さらに楽しみの幅が広がることでしょう。
今後はNFTの相互運用性を活かしたゲームが多く開発されることが期待されており、市場でのNFTの価値も急激に上昇しています!
取引の際に「所有権・真贋の証明になる」

NFTでは独自性と真正性が証明されており、すべての情報がブロックチェーンに明記されているため、商品の所有権や真贋の証明が可能となります。
しかもNFTのようなブロックチェーン技術を用いたトークンは偽造や改ざんが行えないため、すべての人が安心して商品の取引を行えるようになります。
たとえば、あるデジタルアートが販売されたとしましょう。
デジタルアートは実際の絵画と違ってコピーしやすいので、高いお金を払って購入しようとする人は少ないかもしれません。
しかしこのデジタルアートにNFTを付与すると、誰がいつ所有したものかといった情報がブロックチェーン上に記載され、たとえコピーされてもオリジナルであることを証明できることになります。
しかもその証明は非常に簡単で、ブロックチェーンの情報を精査するだけです。
世界中のどこにいても、一瞬でそのデジタルデータの真贋をチェックできます。
実際2021年2月にはあるドット絵アイコンのキャラクターが約1億3,500万円で売買された例があります!
アートに希少価値を付与する点でもNFTは役立っているのです。
さまざまな物に「付加機能を持たせられる」
NFTを使えば、有形無形を問わず、さまざまな物に付加機能を持たせることが可能です。
これにより、これまででは難しかったインセンティブを契約に組み込むことができるようになります。
たとえば、ある陶芸家が自分の作品を骨董品店に売ったとします。
通常陶芸家は骨董品店から代金を受け取ってしまえば、契約は終了です。骨董品店がその作品を顧客に売却しても、その利益の一部をインセンティブとして受け取ることはできません。
しかしNFTを使えば、自分の作品にインセンティブについての契約を付与して売却益の一部を受け取れるのです。
NFTはイーサリアム上で構築されているトークンなので、契約を自動で履行する機能も付与されており、契約違反によるトラブルも未然に防げるでしょう。
NFTの買い方・購入方法は?

NFTの購入方法は、主にマーケットプレイスを用いたものです。
少し前までNFTはオークション会社などで取引されることが多く、個人が購入するのは難しいものでした。
しかし、最近では個人がNFTを購入できるマーケットプレイスが数多く誕生しています。
NFTの買い方について順を追ってみていきましょう。
1. マーケットプレイスを選ぶ
まず重要なのは、NFTの取引を行うことができるマーケットプレイスを選ぶことです。
有名なマーケットプレイスとしては、以下のものが挙げられます。
マーケットプレイス一覧
・Coincheck NFT
・OpenSea
・Nifty Gateway
・Rarible
Coincheck NFTは、国内でも高い人気を誇るCoincheckが提供しているNFTマーケットです。
Coincheck NFTのもっとも大きな利点は、信頼できる有名な業者である点でしょう。
すでにCoincheckの口座を持っていて仮想通貨の取引を行っている方であれば、誰でもすぐに参加できるので、あまり気負わずにNFTの取引に挑戦できる購入方法です。
今後国内でも最大級のマーケットプレイスになることが予想されるので、今から参入しておくとよいかもしれません。
続いて人気の高いマーケットプレイスがOpenSeaです。
OpenSeaはNFTの流通量が世界で最大級であり、さまざまなNFTの購入が可能です。
これから人気が高まるであろうNFTを購入したい方は、OpenSeaを利用するとよいでしょう。
Nifty Gatewayは、クレジットカードや米ドルでNFTが取引できるマーケットプレイスとして有名です。
さらに著名人のデジタルグッズを幅広く取り扱っているため、今後価格が急上昇するアイテムを見つけられるかもしれません。
個人の楽しみとして、あるいは投資の対象としてNFTを買いたい方におすすめです。
Raribleも世界の投資家が注目しているマーケットプレイスです。
Rarible内ではRARIという別のトークンが発行されており、価格が上昇しています。
RaribleでNFTを購入しつつ、RARIでも利益を上げられるかもしれません。
海外マーケットプレイスは日本語には対応していないので翻訳機能などを使って取引する必要があります。
それぞれのマーケットプレイスに異なった特徴があるので、自分が利用しやすいマーケットプレイスを選ぶようにしましょう。
2. ウォレットをダウンロードし資金を入れる
マーケットプレイスを選んだなら、次にウォレットをダウンロードします。
マーケットプレイスによって使用できるウォレットが異なる場合もあるので、必ず対応しているウォレットをダウンロードするようにしましょう。
ウォレットをダウンロードしたら、資金を入金します。
ここで注意しなければならないのは、どの通貨で入金するかです。
NFTはイーサリアム上で構築されるトークンであるため、多くの場合NFTを購入するためにはイーサリアムが必要となります。
最近では米ドルなどの法定通貨にも対応しているマーケットプレイスが誕生していますが、まだそれほど多くありません。
最近では米ドルなどの法定通貨にも対応しているマーケットプレイスが誕生していますが、まだそれほど多くありません。
イーサリアム以外の仮想通貨・法定通貨でNFTを購入したい場合には、利用できるマーケットプレイスが大きく制限される恐れがあることを覚えておきましょう。
3. NFTを購入する
マーケットプレイスを選んで、ウォレットをダウンロードし資金を入金すれば、あとはNFTを選んで購入するだけです。
NFTにはさまざまな種類があるので、そのNFTの価値や将来性を考慮しながら購入することが重要でしょう。
さらにNFTの中には数ドルで購入できるものもあれば、数千万ドルに上るものもあります。
それだけのお金を出す価値があるかを見極める力も必要となるのです。
NFTの買い方の注意点
NFTを購入するのはそれほど難しくありませんが、買い方には注意点があります。
それはNFTを使った詐欺です。
一般的によく知られた有名なマーケットプレイスであっても、詐欺が行われることがあります。
せっかく資金を投入しても詐欺に遭えばNFTは購入できません。
NFTの販売者をしっかり見極めなければならないでしょう。
もっとも効果的な購入方法は、多くの顧客と取引している実績のある販売者を選ぶことです。
評判のよい販売者を慎重に選べば、詐欺に遭うリスクを最小限に抑えられるでしょう。
さらに、どの程度の資金を投入するかにも注意が必要です。
仮想通貨と同様、NFTも価格の変動が激しい特徴があります。
2020年後半から2021年にかけてNFTの価格は急上昇していますが、急落する恐れもあります。
FX取引や株式投資と同様、失っても問題ない余剰資金でNFTへの投資を行うべきなのです。
NFTの将来性と懸念点

NFTは近年になって急速に注目を集めてきたトークンとして、将来性があると見なされています。
しかし同時に懸念点も浮き彫りになりつつあります。
NFTの将来性と懸念点について見ていきましょう。
NFTの将来性
NFTは今のところゲームやアートに希少性を付与するものとしてよく用いられています。
しかし今後は会員権や不動産の取引などで所有権や契約内容の証明・履行にもNFTが用いられるようになると予想されているので、活用シーンが広がっていくでしょう。
もちろんこれからもNFTの価格が上昇し続ける可能性は十分にあり、投資の対象として購入していく方法も考えられます。
加えて、NFT関連の銘柄に投資することでNFTを利用する方法もあります。
たとえばNFTが用いられているゲーム内で使える仮想通貨は、マイナーなものであってもこれから価格が急上昇する可能性があるのです。
例として挙げられるのがエンジンコインです。
日本でも人気の高いゲームであるマインクラフトが参画を表明したエンジンコインは、2021年に入ってから価格が急激に上がりました。
他にもChilizやFlowといった仮想通貨も今後人気が高まると予想されています。
NFTの懸念点
将来の価格上昇が期待されるNFTですが、懸念点もあります。
たとえば法整備が行われていないのはその一例です。
NFTというシステムが誕生してからまだ間がないため、トラブルが発生してもそれを解決する手段や方法が確立されていません。
各国の金融規制も行われておらず、守るべき共通のコンプライアンスも定められていません。
この状態が長く続けば、NFTを取引していて詐欺に遭い大きな損失を被ったり、マネーロンダリングが横行したりする恐れがあります。
さらにNFTでは管理者がおらず、多くの責任が購入者に委ねられているのも懸念点です。
ユーザーが守られず、簡単に詐欺の餌食になってしまうかもしれません。
今後こうした課題への対策が期待されます。
まとめ
NFTの購入方法はそれほど難しくなく、マーケットプレイスを利用すれば誰でもNFTを手に入れることが可能です。
NFTは代替不可能なトークンなので、今後もアートや曲、会員権、不動産など各分野で用いられていくでしょう。
自分だけのアートとしてNFTを購入することもできれば、投資の対象として購入する方法もあります。
ただし、まだコンプライアンスなどが未整備であることを意識して、詐欺に遭わないように注意しましょう。
マーケットプレイスや購入するNFTを慎重に選んで購入すれば、きっと賢い投資ができるはずです。